塗装職人が教える、外壁塗装会社の失敗しない選び方を解説

大事な家を守るためには、外壁塗装のメンテナンスは欠かせません。
新築からおおよそ10年を目安に塗り替えることが理想です。
でも、業者の選び方・費用・失敗しないポイントなど分からないことが多いと、修繕に踏み切れないですよね。

今回は、外壁塗装会社の選び方のポイントをご紹介します。

これだけは知って欲しい!外壁塗装に関する3つのこと

外壁塗装会社を選ぶ時に、不安になったり迷ってしまうのは外壁・塗装それぞれについて知らないからです。知らなくて誰かに聞くだけでは理解ができないので、ますます悩んでしまいます。
まずは、外壁塗装について「これだけは知って欲しい!」ことが3つあります。

塗料にはランクがあることを知っておく

塗料には種類があり、価格が上がることと比例して耐用年数も長くなります。
外壁塗料に使用される塗料は以下のとおりです。

アクリル系塗料
耐用年数:約4〜8年
良い点:モルタルのひび割れに効果あり
悪い点:汚れやすく耐久性が低い

ウレタン系塗料
耐用年数:約6〜10年
良い点:塗料が柔らかく、細部の塗装に適している
悪い点:シリコンと比べると、耐久と性能が劣る

シリコン系塗料
耐用年数:約12〜15年
良い点:耐久性あり、汚れにくい
悪い点:現在の主流で特になし

フッ素塗料
耐用年数:約15〜20年
良い点:耐久性などシリコンと性能は変わらない
悪い点:高額

現在、外壁塗装で人気が高いのはシリコン系塗料です。
価格・性能・耐用年数が安定しています。

業者が提案する塗料について違いがわかると、説明も理解できるので見積りで提示される金額にも納得できます。

外壁塗装にかかる作業と費用を知る

外壁塗装の見積書の内容がわかるように、ポイントを押さえておきましょう!

・表示されている単価は、1㎡あたりの単価(平米単価)
・単価が安すぎる時は、要注意

見積り内容を確認する基本になります。

次は、見積書の項目についてです。
外壁塗装の見積りによくある項目をご紹介します。

足場

足場は外壁塗装に欠かせません。一時的な組み立てで不要に感じる人もいますが、足場があることで、メリットがあります。

・作業効率が上がる
・作業員の安全確保
・ペンキが飛び散らない

トラブルや事故が起きて嫌な思いをするのは、依頼主です。

また、足場は家屋が高くなるほど金額は上がりますが、工期が延びてしまった時は追加料金は発生しません。

相場単価:600〜800円

高圧洗浄

外壁塗装を行う前の工程で、重要な作業が高圧洗浄です。
外壁は大変汚れていて、最初の塗装も剥がれ始めています。そのままの状態で塗装を塗れば仕上がりもきれいではありません。

これも「自分でできる!」と思う人がいるかもしれませんが、ここはプロにお任せした方が正解です。

一番の理由は、使用する高圧洗浄機にあります。ホームセンターでも手軽手に入る高圧洗浄機ですが、やはり業務用とは威力が違います。
機種にもよりますが、家庭用は約50キロの圧力で、業務用は約150キロの圧力です。
この圧力の違いは大きいです。

相場単価:200〜250円

養生(ようじょう)

外壁塗装で行う養生は、塗らない場所を保護するために必要になります。
養生に使用するのは、ビニールやテープです。主に窓やサッシなどの保護に使用します。

また、高圧洗浄による水の飛び散りを防ぐこともできるので、隣人とのトラブルにも役立ちます。

相場単価:300〜500円

下地補修

外壁塗装の仕上がりを左右するのは、下地補修です。
高圧洗浄で汚れを落とした後に行います。

年数が経てば外壁には、ひび割れ・ふくれ・サビといった状態がみらえます。
新しく塗装するからそのままでも困らないと思われがちですが、意外と見えるものです。

相場単価:10,000〜30,000円

下塗り

ここまでの下処理が終われば、あとは塗装だけです。
でも、先にご紹介した塗料はまだ塗れません。下塗りが行われます。

外壁に直接塗料を塗ると、剥がれやすくなり劣化します。
そのために下塗りを行い、外壁と塗料がきれいに付着するようにしてくれます。

塗装は基本的に、下塗り・中塗り・上塗りとなります。中塗りと上塗りは同じ塗料を使います。この3回は必須なので、見積りの段階で確認しておきましょう。

相場単価:600〜900円(下塗りのみ)
相場単価:1,000〜3,500円(中塗り・上塗りは使用する塗料で異なります)

塗装会社による違い

外壁塗装のポイントが分かれば、次は発注する塗装会社についてです。
ハウスメーカーや塗装専門店などありますが、それぞれのメリットとデメリットを知って、納得のいく塗装会社に発注しましょう。

ハウスメーカー

家屋を建てたメーカーなので、どんな材料を使い施工をしたのかなど全ての内容が記録されています。メンテナンスには心強い情報です。

・メリット
実績と大手というブランド
長期保証という安心がある
繁忙期も依頼しやすい

・デメリット
費用が高い
実際の作業は、下請けが行う
トラブル対応に時間がかかる

大手のハウスメーカーは、その名前を聞くだけでも安心感があります。外壁・メンテナンスなどさまざまな経験があるので、総合的なアドバイスも期待できます。

しかし、実際に作業を行うのは、契約をしている業者になるため中間マージンが発生するので、関わる業者が増えたら費用は高くなります。

工務店

営業拠点を中心とした住宅建設を行っています。
近年の工務店は、大手メーカーより小規模なエリアで、建設・リフォームなどを行っています。

・メリット
身近でも依頼した人がいるので、実際の評判がわかる
職人経験者が多い

・デメリット
下請け業者を利用する
繁忙期は、施工待ちがある

工務店には地域に馴染みがあります。評判も聞けますし、外壁塗装を依頼しやすいです。
規模は小さいので、繁忙期や突然のトラブルなど、すぐに対応してもらえないケースもあります。

塗装専門業者

塗装を専門とする業者または職人です。
質の高い仕上がりが期待できます。

・メリット
塗装に関する知識と技術が豊富
中間マージンが発生しない
職人と直接打ち合わせができる

・デメリット
接客・対応に不満が残る
目立った広告がなく見つけにくい

自社で塗装を行うので、中間マージンは発生しません。職人気質な人が多いので、大手のような手厚い接客などは期待できません。
塗装専門なので、手抜き工事などトラブルは少ないです。

地元業者

地元で信頼のある業者は頼りやすく利点も多いのが特徴です。

・メリット
材料運搬などの費用が抑えられる
すぐに駆けつけてくれる
風土に合った塗装を提案してくれる

・デメリット
アフターケアの保証が低い
自分で業者が選べない

地元ならではの、環境や風土に合わせた塗装が期待できます。施工はもちろん中間マージン以外の費用も抑えることができます。
トラブルの対応が早い反面、長い目でみると廃業しているケースもあります。また知り合いだからと安易に決めると、あとで後悔することもあります。

悪徳業者を見抜く5ポイント

「いま、近くを通りかかったら、お宅の外壁がずいぶん汚れていたので、伺いました。」
突然、業者が訪ねてくる経験をしたことありませんか?

さまざまな業界で悪徳業者は存在しますが、外壁塗装業界は特に多いです。
あたかも知っているかのように、専門的な話をされたら誰でも信じてしまいます。

外壁塗装は、安い買い物ではありません。大切な自宅という財産への投資です。
しっかりポイントを押さえて、だまされないようにしましょう!

契約を急かす

話を聞きながら、とにかく契約を急かす業者は怪しいです。
なぜ、契約を急かすのか?
それはには理由があります。

顧客に考える隙を与えたくない

業者が話すことは、本当のようで嘘です。実際に作業をするかも怪しいです。
だから、他社と比べられたり、内容を確認されると実態がバレてしまい契約が取れません。

「今日までならモニター価格で提供します」
「いま、キャンペーン中でお得になっています」

言葉たくみに、その場での契約を取ろうとする業者は、相手にしないことです。

驚くような値引きをする

契約する側なら、良い塗料でお得に外壁塗装を施工してもらえたら、とても嬉しいですよね。
でも、業者側にしたら、顧客には喜ばれるけど利益としては少なくなるので、値引きは最小限に抑えたいことです。まして、自分から「値引きします」とは言わないものです。

でも、悪徳業者の場合は違います。
契約を取ってお金が欲しいのですから、自ら値引きを提案します。
提示する金額も高額ですから、「100万・200万」の値引きは普通にします。
「そんなに値引きしてくれるなら」なんて、乗らないようにしてください。

脅迫するような言い方

悪徳業者は、言葉で、値引きで、契約するまでしつこく説明をしてきます。
話を聞いている側もうんざりです。

最終手段は、やはり「言葉」です。
さきほどの気分が上がるような、くどき文句ではありません。

「いま塗装しないと危険ですから」
「このままでは、塗装以外の問題も発生しますよ、お金がかかりますよ」

不安を煽られると、人は決断を急ぎます。
こんな時も冷静に対応してください。

契約が取れたら、後は先払い

外壁塗装業界において、施工をする前にお金が請求することはありません。
きちんと施工を終えてはじめて、支払いとなります。

でも、悪徳業者の場合は違います。
施工せずに逃げる
雑な作業でさっさと終わらせてしまう
あとで、お金をもらうことなんてできませんから、先払いを言われます。

もし、契約してしまっても、この段階なら間に合います。
怪しいと思って、考え直してください。

即決しないこと

悪徳業者のパターンを知っていれば、突然の訪問にも困りません。
相手にしないこと
即決しないこと
まずは、この2つを覚えておきましょう。

さらに、話を聞いて良いと思ったら、こちらを確認してみましょう。
ホームページにて情報確認(口コミサイトも有効)
資格のある業者であるか確認

トラブル被害は、減りません。常にあります。
「自分は大丈夫」と思わず、きちんと対策してください。

自分の基準で決める

外壁塗装業者の選び方として、まとめてみました。
専門的な部分が多くて、業者任せにしていまいがちですが、そこから思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。

まず決めておきたいのは、「自分はどうしたいのか?」です。
わからないことがあるのは当然です。色やイメージだけでもいいです。まずは、自分の思いや考えを決めて、業者に伝えることから始めましょう。
業者側も、話を聞くことで提案もしやすくなります。

良い外壁塗装業者を見つける参考にしてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です